信じる

どうしよう。
やっぱり、やめようか。

正直、強く求めているとかでもないし、
自信も無いし、

少し怖い感じもあったのだけど、

それでも、気になって、
落ち着かなくて、

ふと、遠慮した気持ちの中で、
扉を開けてみたくなった。

でも、そんな時に限って、
扉が重い。

ミシ・・。
ミシ・・。

どこかに、何かが引っかかっているのだろうか?

ギシギシ・・。

押しても、引いても中々動かない。
鍵はいつも開けたままなのに。

いざ、力を加えて、
強引にこじ開けてみる。

するとそこには・・ 

ただ、
白い広がり・・

あっけなく、
何も無い・・。

身体は、まるで何かにおののくように、
背中を丸め.

表情険しく、口先から吐き出す呼吸は、まるで生気を自ら逃していくようである。

・・。

一体いつから、こんなに明らかになったのだろう。

こっちにいれば、あっちの事なんか気にする事がないと思っていたし、

こっちはこっち、
あっちはあっちで、

ちゃんと等しく、
積み重ねられるものだと思っていた。

でも何かが違う。
やっぱり同じではない。

あっちは進み、
こっちは停滞し、

目の前に一本線が引かれたみたいに、
こっちと、あっちは隔たれていく。

それは、積もりに積もって、
遂に重さに耐え切れずに、崩れ落ちてしまった、

意味もなく、ただ無駄に重ねてきたかのような、日々の行いの数々。

その場その場では、それで自分を誤魔化すように、凌いできたものがあったのかもしれないけれど、それは確実に重くのしかかっていた。

確かに、振り返ってみれば、まず扉を閉めて、こっちに塞ぎこんでいたのは、自分の選択で間違いないと思う。

何故なら、一応そこには、少なからず自分の中で、護ろうとするものもあったから。

例えば、
傷つきたくない、
失敗したくない、
恥を書きたくない、
裏切られたくない、

みたいに、
それなりに言葉を並べられる位には。

でも、正直その程度の事。

そこには何の覚悟も、
確かな根拠なんてものもなく、

あり続けていたのは、避けて、逃げ続けてきた事の延長として、今なおここにある、そんな今この瞬間ばかり。

決して何もしていなかった訳ではないが、でも実際、特に色づけ出来る程でもない、この扉の中の、この質素な思いの数々は、

結局、どんなものでさえも描かれ難く、ただ真っ白なもの以外には、見極めようがなかったのだ。

そう。
きっと、そういう事。

頭の中では分かっているし、

また扉を閉めて鍵を閉め、
同じように閉じこめたらそれで良い。

・・。

だけど、 

それって、やる気がないって思われる事?

それとも、

つまらなくて残念だと思われる事?

肌をさす冷たく厳しい風は、僅かな扉の隙間さえ逃す事なく、こちらに吹き付けてくる。

それは、まるで手の先、
足の先へと巡り、

そのまま全身隅々、
身体の芯まで、とことん追いかけくるように。

ところで、この凍えるように、かじかむ指先の力で、今度は一体何を掴み、そして何を手放していく事が出来るのだろうか。
  
器用になんか、動かせるわけがない。

きっと、ここに至るまでの自分の在り方を、そのまま省みてみれば、

"これで良いんだ"と、

全てをそう、受け入れていく事が妥当な判断にはなるし、

それに真っ白だって、見方によっては、
とても鮮やかで美しいものになる。

だけどそれは、やっぱり充分に、
暖かく自分を護るものがあってこそのもの。

そんなものは何もなかったはずだし、
この寒さや白さは、それとは全く質が違う。

今は、ただ虚しいだけなのだ。

本当は、引きずっているものが沢山あるし、
本当は、悔しくて覆したいものも沢山ある。

だからこそ、扉の鍵も閉める事が出来ずにいたし、ずっとずっと、そこで凌ぐように重ねてきたものもあったはず。

時には、支え切れない重さとなって、
崩れ落ちてきてしまう事もあるし、

また、心の中では、どうしても埋められない隙間のようなものを、感じる事もあるのかもしれない。

だけど、そろそろ、じっとその寒さに耐え忍んでいくばかりの時間は終わりにして、

今度は、自らよく動いてみる事によって、その状況を打破していく為の、新たな熱の力を生み出していこう。 

今、枯渇しているもの、
今、歪んでいる所、

そして、今必要な事は何なのか。

まだまだ、確信を抱くには、分からない事が沢山あるかもしれないけれど、

でも、もし分からないからと言って、そのまま塞いで閉じこめてしまう事でしか、自分を護っていく事が出来ないのならば、

それもまた、
自分の中で省みるべき1つの偏りとなる。

何故なら、受け入れる事も、抗う事も、
また、押してみる事も、引いてみる事も、

その、あれも、これもは、
皆んな等しいバランスの中で、調和を保って存在しているのだから。

必要以上に、おののく事はないし、
時には、根拠や覚悟なんかなくても別に良い。

だから、今度はもう少し素直に、
正直な思いの中で、

自分を"信じる力"のようなものも、
大切にしてみてほしい。

それは、決して無理に力を加えるような事でもないし、開かないものを、強引にこじ開けるような事でもない。

もっともっと、自然な力の一つとして、
みんなが等しく、積み重ねてきているもの。

だから、遠慮や迷いは必要ない。

いざ、その思いの波動を力に変えて、
再び扉を開けてみよう。

きっとそこには、
こっちも、あっちも、
隔てるようなものは何もないのだから。

LIFE INCLUSIVE

大地と共に、力強く。 見上げた空の如く、鮮やかに美しく。 たった一つの我なる"泉樹の花" その実は、今ここに成る。 全ては認め、愛され、 そして受容されながら。

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