無碍

まるで、心の内を見透かされていたかの如く、あなたに突き付けられたその課題の山々は、少々痛みを伴う現実として、容赦する事無く、あなたを無明の世界へと引きずり込んでいく。

悪夢のような闇は、視界をたちまち狭窄し、そこでは何一つとして確信めいたものは存在せず、過去に辿った足跡も、未来を示す道標も、今この瞬間全てが同じ一つの闇として塗り潰される。

暗闇でおぼつかない足下、
クラクラするような目眩
いつまで経っても優れぬ気分、

いつ?
何で?
どうして?
どこから?

こんな闇なんか無ければいいのに、
こんな迷いも無ければいいのに・・

もっとこうして欲しいし
もっともっとこうありたいし、
もっともっともっともっと・・・

不気味に漂うその不快な気配の渦が、それを受け取るあなたの心を惑わし、次第とあなたの集中力は奪われながら、冷静に物事を考える為の洞察力も思考力も、歪な形に削がれていく。

あなたは、
本当は弱くて、
本当は後ろ向きで、
本当は心配性であるにも関わらず、

"何も焦っていないし、
何も心配してもいないし、
何とも比べていないし、
何も求めていない"と
心の中で取り繕ったように必死に言い聞かせ、

あなたは、
どんな時も優しくて、
どんな時も謙虚で、
どんな時でも他人を思いやり、
どんな時でも他人に心配を掛けたくないと、
どんな時でも笑顔を絶やさず、
どんな時でも強くあろうとするからこそ、
その暗い闇の世界に負けないようにと、至って平然を装い続ける。

本当は、無闇に抑えつけているだけではありませんか?
本当は、誤魔化し、偽っているだけではありませんか?
本当は、ただ先送りにしているだけではありませんか?

内心、闇にあわてふためきながら、薄々、思い知らされているのでは無いだろうか。

結局、自分の軸なんて何も確立出来てはいないのだと。

まるで、アスファルトに集めた落ち葉のように、ただコンパクトにそこに収めただけの、安易な解釈は、突然の風に吹かれては、あっという間にまた無残に散らばっていく。

ただ散っては集めを繰り返す、そんな漠然たる不安からの逃避が、いずれ判然たる恐怖として形を変え、またあなたの前に再び姿を顕してくる事を、あなたは何度もループするかの如く経験しているはずだ。

時間がかかってもいいし、
疎かなものがあってもいい。

それは、集めた落ち葉を土へと還し、新たな肥やしとしていくようなもので、まずは、凝り固まったその"否定的"を否定する観念をすて、己の心意を巡りめくそのあるがままへと委ねてみて欲しい。

地水火風空、森羅万象この世の全てのものが、何隔たりなく、妨げ合う事ない調和の中で、お互いが縁となり、お互いが生かしあいながら、創造、維持、破壊のサイクルを繰り返していくように、

私達人間、個々の内なる万象も、抱える弱さ、脆さ、醜さ、儚さ、愚かさ、湧き起こる
嫉妬、不安、焦り、悲しみ、怒り、それらが一つの調和された世界に共存して、初めて抑圧は打ち破られ、新たな光の世界が創られていく。

"真実"なるものは、誰かがあなたに対し、言葉をもって教えてくれるものでもなければ、
文字を通して、知識や情報として理解をしていくものでも無い。

それは、あなたの心の奥底、いつでも正直に湧き起こるものに対して、あなたから、あなたに語りかけられていく。

壁を隔てて、
無理に何かを隠そうとする必要もなければ、
無理に何かを言い聞かせ、
無理に何かの言葉をもって解釈しようとする事も無い。

あなたから、湧き起こるどんな迷いの感情も、そこから生まれれるどんな解釈も、その性質一つ一つが過程となり、その一つ一つが大切な要素となりながら、その一つ一つがまた、遍く照らす光の象徴として、唯一無二の根源へと繋がっていくのだから。

目の前の現実に、
例えとても哀れで、
例えとても見苦しく、
例えとても無様な姿を見透かされているように感じたとしても、

創造される光は、いつでも、
あなたの心を正しく顕し、
あなたの心をあるがままに照らし、
まるで透き通った水面のような、嘘偽りないあなたの透明なる心を輝かせながら、塗り潰された過去の足跡も、未来の標も、そして今この瞬間の立ち位置も、また全てを明らかに見極めていく。

アスファルトのように、固く覆った心の壁も、あなたのその、真実なる心の力をもってすれば、いつでも簡単に壊していく事も可能であるし、澄んだ水面のようなその心から、まるで豊潤な果実のように滴り落ちる甘露の雫は、あなたの疲れた身体と心を癒し、奥底深く蔓延る"煩"の力をなだめ、息を潜めて眠り続ける"明"の力を躍動させる。

次第と悪夢は醒め、眼は開かれ、視界は晴れ渡り、まるでトグロを巻くかの如く、天にも昇る、その内なる歓喜に目覚めたあなたは、"もっと、もっと"の外なる歓喜にも、決して心を惑わされぬ確固たる自分の軸を手に入れていくだろう。

何一つ、除かれる由縁となるもの一切無し。

痛みを伴う現実があるからこそ、
母胎の如く包みこむ、慈悲なる心が生まれるように、

山積された課題があるからこそ、それを乗り越えようと、ダイヤモンドの如く堅固な智慧と意思の力が生まれるように、

全ては一つの無碍なる世界の中で、芽生えるものではなく、初めから備わるものとして、
いつでもそこに"真実"として、繋がりあって共存しているのだ。



YOGA INCLUSIVE

大地に根を張り、力強く。 見上げた空の如く鮮やかで、美しく。 たった一つの我なる"泉樹の花"。 その実は、今ここに成る。 全ては認め、愛され、受容されながら。

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