ペダル

広がる景色は、鮮やかだけど、
包むものがなく、

視界は自由だけど、
定まる所がなく、

最近いつも聞こえてくるのは、
耳障りで不快な音ばかり。

"ガチャガチャ、ガチャガチャ"

心のギアが全く、
上手く切り替わらず、

"ギクシャク、ギクシャク"

踏み込むペダルも、
どこかぎこちない。

やっぱり何か、おかしいのかな?
もしかしたら壊れている?

実際には、それ程疲れている感じもないし、ここであえて止まるつもりもなく、

急な坂が続いていたり、大きな壁が立ちはだかっている事も、見渡せる限りにおいては一切無い。

それでも、漕いでも漕いでも中々得られぬものが、進むという実感と、そしてその確信。

考えても考えても、出てくる面はどういう訳か、裏、裏、裏の連続ばかりであるし、

本来なら表と裏で、ピタリと重なりあう小さな歯車達も、不安定に推移する歪なリズムに影響されて、上手く噛み合う事をしていかない。

それは漕ぐ力が無いと言うより、どこにどう漕いだらいいのかが、少し混乱してくるような感覚のもの。

右、左、右、左、
ペダルを漕ぐ度、溢れてくる思いも、

"もう自分なんかこれでいいんだ・・"

"いや!まだまだこれでは駄目なんだ!"

と激しくせめぎ合い、

いつまで経っても転換する事なく、
また終わる事もせず、

あげくの果てには、まだ残されているはずの、かけがえないものまでもを、ただいたずらに擦り減らし、そこから全く展開もしていかない。

最後に残っていくのは、
ただの落書きみたいな乱雑模様だけ。

縦横織りなされる事ない、その突きつけられた課題の絡まりは、いつまでも解きほぐせぬままに、一体何を顕していくのだろう。

意味ある規則や秩序?

あるいは智慧の働きのような、
奥深く秘められたもの?

目の前では相変わらず、
ガチャガチャ、ギクシャク、
終わらない攻防が続いているし、

それに対し何も出来ず、
また何もやろうとせずに、

ただ過ぎ去るものを見送るばかりのような、不安や焦る気持ちも、そこに錆びつくように募っていく。

だけど、もし答えを探し求めて、
ペダルを漕いでも漕いでも、追いつかずに、

結局、離れて取り残されてしまうような、
そんなもどかしい感覚が続くのならば、

時には、まるで漕いだペダルが一周して、また元へと戻っていくように、

乱雑に絡まり顕になった、
今この目の前の課題、
その全体の姿を、

少し離れた場所から、のんびり眺めてみる事があっても良いはずだ。

混迷を引き起こす原因も、
または、それを解決する糸口になるものも、

実はそれらはちゃんと、1枚のコインのように、歯車を重ね合わせながら、一つの糸で繋がっているもの。

それが何なのか?
いや、それは何でもいい事として。

何も無いように思う事であっても、ちゃんとそこにはあって、何も無いからこそ、またそこにはある。

例え、分かりづらくて、
難しいものであったとしても、

今見えているもの、今聞こえているもの、
今だからこそ感じとれている事、

それこそが今、耳を澄ませる事であり、
それこそが、じっと見つめていく事なのだから。

・・・。

「まだ、止まりたくない・・」
「まだ、手放したくない・・」

どうして?

「だって決めた事なのだから」
「だって大好きなのだから」

本当かな?

「まだ続けていたい!」

もう一押し!

「だってもう無駄にしたくはないのだから!!」

やっぱり、そうだ!!

小さな頃から、今に至るまでの自分自身。

いつもより少し視野を広げて見つめる、その自分自身の姿から、浮かんでくるものは何ですか?

嬉しかった事?楽しかった事?

いや、悔しかったり、情けなかった事・・。

気づけば、
誰かに負けないように、
何かに屈しないようにと、

必要以上に肩に力が入り、ペダルを漕ぐのも不自然に、強張りがちになってはいませんでしたか?

因みに、倒れそうになるものや、壊れそうになるものを維持する力は、もっともっと穏やかで優しくて、そして遍く浸透していくもの。

もし、どこかに噛み合わないものがあるのなら、必要なものを自分で賢く見極め、そして選び取り、

その生じるズレや隙間も、
少しずつ、埋めていってみよう。

鼻から息を一つ、
深く吐き出してみれば、

力みは自然と抜けて、まるで錆びた箇所に油が差さるように、動きは円滑な元の流れを取り戻していく。

それは、大切なものを擦り減らすような、強引なものではなく、それは過信でもないし、卑屈でもないし、見栄やエゴでもない。

もし、ありのままが望ましいというのであれば、きっと、これが戦うようにせめぎ合う、2つの思いの真ん中にあり続ける、自分にとっての、ありのままの姿。

それを響かす為に、
そして届ける為に、

"ガチャガチャ "
"ギクシャク ギクシャク"

例え、不器用な音を響かす事があったとしても、

"右、左、右、左"
"右、右、左?"
"左、左、右?"

例え、不規則にリズムが崩れる事があったとしても、

出来ない自分、
やらなかった自分、
やろうとしない自分、

そんな自分を手放し、
また、包み込んでいく為に、

足元のペダルは、

これからも、
そして変わらずにいつまでも、

"この道"の上に、
漕ぎ続けられていくのである。

LIFE INCLUSIVE

大地と共に、力強く。 見上げた空の如く、鮮やかに美しく。 たった一つの我なる"泉樹の花" その実は、今ここに成る。 全ては認め、愛され、 そして受容されながら。

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